健康はもちろん、美容にも大きく関わっている“成長ホルモン”。
重要なキーワードだと知っていても、アンチエイジングとなるとつい化粧品やサプリ頼みになってしまう方も多いのではないでしょうか。
でも、どんなに効果的な化粧品を使っても、成長ホルモンが分泌されていないと、体やお肌の機能は正常に働きません。
いつまでも若々しさを保てるよう、分泌のポイントをおさえて普段の生活の中に取り入れてみてくださいね。
アンチエイジングと成長ホルモンの関係
成長ホルモンとは?
成長ホルモンは、脳からの指令を受けて分泌される、成長を促進させるホルモンです。
その名の通り、骨を伸ばしたり筋肉を発達させる働きがあるので、成長期に重要なのはもちろんですが、大人になってからも代謝をコントロールするという大切な役割があります。
しかし、思春期をピークに分泌量は減少し、アンチエイジングを意識する30代から40代では約50%、60代になると約30%に減ると言われています。
減るとどんな症状が出るの?
□疲れやすく元気がない
□集中力が続かない
□やる気が出ない
□気持ちの浮き沈みが激しい
□肌がカサついている
□体毛が薄くなってきた
□お腹が出てきた
□ダイエットしても痩せない
□体脂肪・体重が増加した
成長ホルモンが減少すると、一般的に上記のような症状が表れます。
沢山当てはまる方は要注意!
肌や体の老化現象、代謝の低下に加え、精神面でも様々な悪影響があります。
アンチエイジング効果はあるの?
成長ホルモンには代謝に関する作用があり、新陣代謝を活発にしたり細胞を修復するのに欠かせません。
そのため、アメリカでは実際に老化予防を目的とした使用が認可されていますし、効果はあると言えます。
しかし、副作用の危険性などを考えると、アンチエイジング目的で安易にホルモン補充療法を取り入れるのも考えものです。
また、“成長ホルモンを分泌させる”と謳ったサプリメントなども販売されていますが、それらの製品による効果は科学的に証明されていません。
成長ホルモンの分泌を促す3つの方法
アイチエイジング効果はあるものの、年齢と共に減少し補充するにはデメリットの多い成長ホルモン。
でも、分泌不全症や何らかの原因がない限りは、分泌を促進する事で美容にも嬉しい効果をもたらしてくれますので、その方法をご紹介します。
1・質の良い睡眠を取る
「美人は夜作られる」という言いますがこれは理にかなった言葉で、成長ホルモンが最も多く分泌されるのは熟睡している時です。
睡眠時間や就寝時間に関わらず、質の良い睡眠、つまり深い眠りを取れているかどうかがポイント。
例えば、毎日AM4時に寝てAM7時に起床する生活を送っていたとしも、その3時間で熟睡できていれば成長ホルモンは分泌されます。
ただ通常、睡眠は“レム睡眠”と言われる浅い眠りと“ノンレム睡眠”という深い眠りで構成されているため、眠った時間全てが熟睡しているわけではありませんので、6~7時間は眠るほうが良いとされています。
2・食事は空腹時に摂る
空腹のピークのときに胃の粘膜にグレリンという物質が出ます。それが脳下垂体に行って成長ホルモンの分泌を促すのです。グレリンは接触促進作用物質ですので、食事をすると出なくなり、それと同時に成長ホルモンの分泌もストップします。
引用文献:米井嘉一 著「早く老ける人、老けない人」
ダイエットをしていると、お腹が空くと我慢しなくてはならないという意識が働くので、お腹が空く事自体を嫌がってしまう傾向があります。
しかし、空腹を感じなければ、起きている最中でも分泌されるはずの成長ホルモンを得る機会を失う事になってしまいます。
お腹が空かないよう、低カロリーのおやつを間食するよりは、目一杯お腹が空くまで食べないほうがダイエットにもアンチエイジングにも効果が期待できそうですね。
3・筋肉を疲れさせる
成長ホルモンを分泌させるためには、筋肉を疲れさせて“乳酸”を発生させる必要があります。
そのため、加圧トレーニングやサーキットトレーニングが有効とされていますが、余程の知識がないと自分で加圧トレーニングは行えませんし、サーキットトレーニングは、アスリートも取り入れているというだけあってハードなので、エクササイズ慣れていない方には不向きです。
しかし、重要なのは“乳酸”を発生させる、つまり筋肉痛になる事ですから、特別なトレーニングでなくても成長ホルモンを促進する事は可能です。
あなたが筋肉痛になる程度の運動や、エクササイズを毎日の習慣に取り入れみましょう。
アンチエイジング先生流【簡単な方法】
成長ホルモンの70%は睡眠中に分泌されていますので、毎日決まった時間に眠り生活リズムを整えるだけでも効果はあります。
また、ハードなトレーニングをしなくても、簡単な“スロースクワット”で成長ホルモンの分泌を促せます。
スロースクワットのやり方
①つま先とヒザが外側を向くように肩幅よりやや広めに足を開いて立つ
②ゆっくりと3秒かけて太ももが水平になるまで腰をおろす
③腰をおろしたら3秒かけてゆっくり腰をあげ体をもとの位置に戻す
※5回から10回繰り返す。
スロースクワットなら、自宅で簡単にできますし、おしりが引き締まって太ももも細くなります。
年齢と共に成長ホルモンが減ってしまうのは仕方のない事ですが、ちょっとした生活習慣の見直しで、そのスピードを緩やかにしたり増やす事が可能です。
たくさん分泌して、いつまでも若々しく美しくありたいものですね。