年齢を感じさせない若々しさや、キレイを保つために重要と言われている“女性ホルモン”。
様々なサプリも販売されていますし、多ければ多いほど良いというイメージがありますが、実は女性ホルモンは増やせばいいというものでもありません。
また、ネット上では恋愛すれば女性ホルモンが増えるといった情報を目にすることもありますが、それは本当なのでしょうか?
今回は、女性ホルモンの基礎知識や増やし方をご紹介します。
女性ホルモンの基礎知識
女性ホルモンって?
女性ホルモンとは、女性特有のやわらかな体つきや、生理や妊娠といった体のリズムをコントロールしているホルモンで、卵胞ホルモンの“エストロゲン”と黄体ホルモンの“プロゲステロン”があります。
エストロゲンは、美肌を作ったり丸みのあるバストやヒップを保つのに欠かせないことから、“美人ホルモン”とも呼ばれています。
一方、生理前に多く分泌されるプロゲステロンは、食欲を増進させたり、むくみや肩こりといった症状を引き起こすことから“おデブ・おブスホルモン”と呼ばれ嫌われがちです。
そのため、美人ホルモンであるエストロゲンにスポットライトが当てられ、エストロゲンを増やすことを謳ったサプリメントも数多く販売されています。
でも実は、体内でエストロゲンを作るにはプロゲステロンが必要ですし、この2つのバランスが崩れると体に良くない影響が出る恐れもあります。
キレイを維持するには、ただ単に女性ホルモンを増やそうとするのではなく、減少するのを防いでバランスを整えることが重要なのです。
何歳から減るの?
30代前半を過ぎると、閉経が近づくと共に卵巣の働きは低下し、卵巣で生成されている女性ホルモンの量も減少します。
そして、しみ・しわ・たるみといった皮膚の衰えや、物忘れ・イライラ・肩こり・腰痛などの更年期障害と言われる症状を感じるようになります。
また、不規則な生活やストレス、過労などによって自律神経のバランスが乱れることでも減少してしまいます。
通常、20代~30代の女性が更年期に悩まされることはありませんが、ストレスの多い現代社会では、女性ホルモンが減少し更年期のような症状を感じる方も増えてきているそうです。
恋愛すると増える?
恋愛すると女性ホルモンが増えるという説もありますが、恋愛で増えるのは脳内物質や別のホルモンです。
女性ホルモンは出産や健康維持のために欠かせないものなので、恋をしていなくても卵巣は女性ホルモンを分泌します。
でも、身体や脳はとても複雑にできていて、未だ解明されていないこともたくさんあります。
恋愛が女性ホルモンの分泌量を増やすことはなくても、恋をすることで身体全体に良い影響を与えてくれることはあるかもしれませんね。
女性ホルモンの増やし方
食べ物で増やす
厳密に言うと、女性ホルモンのエストロゲンは体内でしか生成されません。
そのため、食べ物で摂取できるというわけではありませんが、似た働きを持っていたりその働きをサポートしてくれる食べ物があります。
中でも有名なのは、大豆に含まれている“大豆イソフラボン”ですが、一日の摂取上限が決まっていますので摂り過ぎには注意し、和食を中心にバランスの良い食事を心がけましょう。
⇒ 大豆イソフラボンの摂取量目安はこちらの記事をご参照ください。
大豆イソフラボン
“植物性エストロゲン”とも呼ばれるほど、エストロゲンと似た働きがあります。
<含有食品>納豆、豆乳、豆腐、味噌など
レソルシル酸ラクトン類
女性ホルモンと似た働きを持ち、生理不順や更年期の症状に効果的と言われています。
<含有食品>ごま(黒ごま・白ごま)、小麦、スナップエンドウなど
ビタミンE
“若返りビタミン”と呼ばれていて、生殖機能をサポートし女性ホルモンの分泌を促進する作用があります。
<含有食品>アボガド・カボチャ・ナッツ類など
ボロン(ホウ素)
バストアップサプリなどにも配合されているミネラル成分で、エストロゲンの分泌を高める効果があります。
<含有食品>キャベツ・りんご・なし・ひじき・蜂蜜など
亜鉛
必須ミネラル類の一種で女性ホルモンの生成とも深い関連があるため、不足すると女性ホルモンの分泌が低下します。
<含有食品>牡蠣・牛肉(もも肉)・レバー(豚・鶏)・チーズなど
サプリメントで増やす
女性ホルモン補助を謳ったサプリメントは数多く販売されていますが、その効果は様々で定かではありません。
エストロゲンと似た構造を持つ“プエラリアミリフィカ”“ブラックコホシュ”“レッドクローバー”“大豆イソフラボン”を含むサプリは効果があるとされていますが、エストロゲン様作用がある製品の過剰摂取は、かえってホルモンバランスを乱し不快な症状を悪化させる恐れもあります。
また、これから妊娠を予定している方や、妊娠中の方は摂取してはいけないものもあります。
サプリを摂取する場合は、きちんと医師の診断を受けてからにしましょう。
分泌量を低下させないために
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、脳からの指令によって卵巣で生成されています。
そのため、ストレスで自律神経が乱れたり、体が冷えていたりすると正常に分泌されにくくなってしまいます。
イライラが続いたり生理周期が乱れたときは、生活習慣を見直して減少を防ぐよう心がけましょう。
湯船に浸かる
女性に多い“冷え”は、ホルモンバランスが乱れる原因のひとつ。
入浴はシャワーだけで済まさずに、湯船に浸かってしっかり体を温めるようにしましょう。
好きな香りの入浴剤を入れてゆったり浸かれば、リラックス効果も加わって自律神経の乱れも防げますよ。
腹式呼吸をする
ストレスがたまると、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなってしまいがちです。
浅い呼吸は、ホルモンバランスが乱れる原因になりますので、深い呼吸を意識しながら腹式呼吸を行いましょう。
<腹式呼吸のやり方>
1.背筋を伸ばして椅子に浅く腰掛ける
2.お腹を意識してへこませながら口からゆっくり息を吐き出す(※吐ききったと感じた所で止めずに息を吐ききる)
3.鼻からゆっくりと息を吸う
4.吐く・吸うをセットで5~10回繰り返す
※息を吐く時間は吸う時間の2倍かけて行うと深い呼吸が出来ます。
リラックスする
女性ホルモンをきちんと分泌するにはストレスをためないことが大切ですが、仕事や家事で忙しい毎日を過ごす女性はストレスフリーというわけにはいきませんよね。
そこで、寝る2~3時間前は交感神経を刺激するスマホ・テレビ・パソコンは見ないようにしてリラックスを心がけてみてください。
リラックスする方法は、軽いストレッチ、音楽を聴く、アロマを焚くなど色々とありますが、自分が心地良いと感じることが重要です。
いかがでしたか?
女性がいつまでもキラキラと輝き続けるためにエストロゲンは重要ですが、とにかく増やせばいいというわけではありません。
肝心なのは食事と同じでバランスです。
また、女性ホルモンは年齢と共に誰もが減少するものですから、自己判断で閉経前からサプリメントに頼るのはお勧めできません。
生理不順など、女性特有の不快な症状を改善したい場合は、まずは産婦人科で医師の診断を受けてくださいね。