アンチエイジングやダイエットに効果的と女性に大人気の飲み物“豆乳”。
生理前に飲むと痩せやすいことから“豆乳ダイエット”もブームとなりましたし、美容や健康のために毎日欠かさず豆乳を飲んでいるという方も多いのではないのでしょうか。
でも、生理不順になる、発がん性がある、といった豆乳の飲み過ぎによる有害説も噂されています。
そこで今回は、豆乳についてホントの所はどうなのかを調べてみました。
豆乳の栄養成分と効果
豆乳は、大豆に含まれる栄養成分をそのままに消化吸収しやすい形に加工した飲み物で、美肌に有効とされる栄養素も豊富に含まれています。
【大豆たんぱく質】動脈硬化予防に
【イソフラボン】がん、骨粗鬆症予防に
【レシチン】生活習慣病、脳の老化予防に
【サポニン】動脈硬化、肥満、酸化予防に
【オリゴ糖】便秘、ニキビ予防に
【フィチン酸】がん予防に
【ビタミン類(ビタミンB郡・ビタミンE)】肌荒れ、肩こり、老化予防に
【ミネラル類(カリウム・マグネシウム)】動脈硬化、高血圧予防に
中でも特徴的なのは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た構造を持つ大豆イソフラボンで、肌のターンオーバーを整えてシミやシワ、くすみを防ぐ働きがあると言われています。
また、抗酸化作用があるとされているサポニンや、若返りビタミンと言われているビタミンE、美肌作りに欠かせないビタミンB郡も豊富に含まれていますので、アンチエイジング効果も期待できます。
※予防に効果が期待できると言われていますが明らかにはなっていません。
発がん性があるってホント?
豆乳やその他の大豆製品に含まれる“大豆イソフラボン”には女性ホルモン様作用があり、美容や健康に良いと言われていますが、その一方で発がんの可能性も示唆されています。
しかしこれは、濃縮物(サプリメント等)の過剰摂取に対し注意が促されたものであり、豆乳に発がん性物質が含まれているというわけではありません。
下記は、食品安全行政を行っている食品安全委員会が発表した、大豆イソフラボンによるがん等のリスクに関する報告です。
大豆イソフラボン等の植物エストロゲンについては、乳がん等エストロゲンに感受性の高いがんの発生リスクに関する懸念がある。(中略)
なお、現在までに入手可能なヒト試験に基づく知見では、大豆イソフラボンの摂取が女性における乳がん発症の増加に直接関連しているとの報告はない。引用:食品安全委員会 大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方
また、この報告では、「日本人はこれまでの歴史の中で多種多様な大豆食品を摂取し続けてきたが、安全性についての問題が話題になったことはない。」
といった内容も記載されています。
このことからも、濃縮物による大豆イソフラボンの過剰摂取には注意が必要なものの、大豆食品に関してはさほど神経質になる必要はないかと思います。
飲み過ぎになる量はどのくらい?
食品安全委員会では、大豆イソフラボンの一日の摂取目安量の上限を70~75mg、通常の食事に加え、大豆イソフラボンアグリコン(大豆イソフラボンから糖が外れた構造のもの)をサプリメントなどで摂取する場合の上限を30mgと設定しています。
日本の食環境を考えた場合、大豆イソフラボンは豆乳以外の食品、味噌や豆腐、納豆などからも摂取します。
そのため、豆乳を一日に飲む量は、50~100ml程度が上限と考えられます。
※食事内容によっても変わってきますので、下記をご参照ください。
【大豆食品からの大豆イソフラボンの摂取量】
出典:食品安全委員会 大豆イソフラボンを含む特定保健用食品(3品目)の 食品健康影響評価のポイントについて
飲み過ぎるとどうなるの?
近年、中国の男性が豆乳の飲み過ぎによる大豆イソフラボンの過剰摂取で胸が大きくなってしまい、切開手術に至ったというニュースが話題となりました。
また、豆乳を飲み過ぎて生理不順になったという女性もおられるようです。
この事例からも、豆乳に含まれる大豆イソフラボンには、女性ホルモン様作用があると考えられます。
飲み過ぎるとホルモンバランスに支障をきたすようですが、バストアップしたい女性にとっては嬉しい効果が期待できそうですね。
過剰摂取を避けるために
豆乳だけに限らずどんな栄養素にも摂取量の上限はありますが、たとえ超えていたとしも、よほどの過剰摂取でない限り健康被害にはつながりません。
なぜなら、私たちの体には不要な栄養素は排除するという機能も備わっているからです。
しかし、大豆イソフラボンをサプリメントで補う場合には、通常の食事から摂取するのとはバランスが異なりますし、大量に摂取できてしまうので注意が必要です。
また、どんな栄養素でも過剰摂取にならないようにするためには、週に1~2日はその食品を食べない日(飲まない日)を作りましょう。
いかがでしたか?
女性に嬉しい栄養素がたくさん含まれている豆乳ですが、まとめて沢山の量を飲むよりも、食事とのバランスを考え“適量”を続けることが大切です。
また、ただ飲むだけよりも、お鍋やクリーム煮などのお料理に活用すると他の栄養素も同時に摂取でき、よりアンチエイジング効果も得やすくなります。
どんなに素晴らしい栄養素を含んだ食品も、偏った食生活では本来の力を発揮できません。
バランス良く摂取して健康と美肌を保ってくださいね!