ドラッグストアや薬局で手軽に購入できる“ワセリン”。
体や手の乾燥対策にお使いの方も多いと思いますが、それだけじゃもったいない!
今回は、顔に使用できるおすすめのワセリンや、使い方をご紹介します。
ワセリンって顔にも使えるの?
ワセリンは石油を原料に作られた鉱物油です。
石油が原料だと肌に悪いというイメージがあるかもしれませんが、そもそも石油自体が天然化石燃料で自然素材ですし、精製された“白色ワセリン”なら顔にも使用できます。
悪いイメージが定着してしまったのは、大正~昭和時代の精製技術が発達していなかった頃に、石油由来の化粧品で肌トラブルを起こす人が続出したからです。
現在では、精製技術も飛躍的に向上していますし、自然素材よりもアレルギーを引き起こしにくく腐る心配もないことから、安全性の高い素材として皮膚科で処方される軟膏のベースにもなっています。
ですが、ワセリンは保湿剤が添加されていない“油”そのものなので、水と油を混ぜて作られた化粧クリームのように、“お肌を潤わせる”という効果は期待できません。
皮膚の上にバリアを形成して外部の刺激から肌を保護したり、水分の蒸発を防ぐ目的で使用しましょう。
顔に使うならコレがおすすめ!
ワセリンは様々なメーカーから販売されていますが、製品によって純度や価格が異なります。
顔に使用する場合は、少し値段が高くてもベタつきが少ないものが使いやすいので、純度が高い順におすすめの4種類をご紹介しますね。
サンホワイト:医薬部外品
50g:1000円前後
医薬部外品に分類されていて、保険適応薬ではありませんが、パッチテストの基剤として使用されるほど純度の高いワセリン。
伸びがよくベタつきにくいため顔にも使用しやすい。
プロペト
100g:1000円前後
白色ワセリンよりも不純物が少なく、赤ちゃんや顔の疾患に使用されることが多いワセリン。
高品質で眼球に塗る軟膏の基剤としても使用されています。
白色ワセリン
50g:300円前後
日本薬局方の基準を満たした最もポピュラーなワセリン。皮膚科で処方されることが多い。
ヴァセリン:医薬部外品
50g:300円前後
ドラッグストアなどでよく見かける輸入品の白色ワセリン。
酸化防止剤の酢酸トコフェロール、BHTが入っているので長期保存に向いています。(※気になる方は顔への使用は控えましょう。)
ワセリンを顔に塗る時は量に注意!
ワセリンを顔に塗る場合、量が多すぎると空気中のホコリを吸着して、かえって肌コンディションを悪くしてしまう恐れがあります。
顔だけへの使用なら耳かき1~2杯程度で十分です。
また、ワセリンは皮膚を潤わせるものではなく、肌を保護したり水分の蒸発を防ぐためのものなので、化粧水や美容液でまず水分を補給してから塗るようにしましょう。
アトピー肌や極度の敏感肌で、他に使用できる保湿剤がないという場合は、洗顔後水分の残ったままの状態で使用するか、精製水で顔を濡らすなどして出来るだけ薄く伸ばしてください。
精製水についてはこちらの記事もご参照ください。
⇒「【裏ワザ】“精製水”の活用法!100円で肌や髪への美容効果大」
薄く伸ばすためのポイント
①手の平に耳かき1~2杯分のワセリンをのせる
②両手をこすり合わすようにして手の平全体にワセリンを伸ばす
(※この段階で量が多いと感じたらティッシュなどで拭き取ってください)
③そっと顔をプレスするように肌にのせる
④全体的にティッシュをあて余分な油分を吸い取る
(※拭き取ると肌に負担がかかるので吸い取るイメージで)
ワセリンに副作用はある?
冒頭でもご説明した通り、ワセリンは安全性が高く保存性にも優れた鉱物油ですし、医療現場や薬の基剤として使われていることからも、基本的に副作用はないと考えられます。
しかし、“白色ワセリン”と“ヴァセリン”には、若干の不純物や酸化防止剤が入っているため、これらの成分が刺激となる可能性はあります。
副作用が心配な方は、純度の高い“サンホワイト”か“プロペト”の使用がオススメです。
ワセリンで赤味やかゆみが出るいう方もおられますが、これは、副作用というよりも鉱物油そのものが肌に合わなかったり、ワセリンが空気中のホコリや汚れを吸着し、それが刺激となったためと思われます。
また、ワセリンは水分の蒸発を防ぐ作用がある一方で、塗りすぎると水分の気化熱による体温調整ができなくなります。
皮膚に熱がこもるとかゆみは強くなりますので、薄く伸ばしてからティッシュオフするなど塗り過ぎないよう注意してください。
おすすめの使い方8選
メイク下地に
肌トラブルがあるときのメイク下地に。
一般的なメイク下地には、界面活性剤や保存料など肌トラブルを悪化させる恐れのある成分が多く含まれていますが、不純物の入っていないワセリンなら安心です。
薄く伸ばした上から軽くパウダーをはたくとベタつきも抑えられ、透明感のある肌に仕上がりますよ。
リップクリームに
少量を指先に取り唇に薄く伸ばすと、グロスを塗ったようなツヤツヤリップに。
ワセリンは保護力が高くリップクリームにも配合されている成分なので、乾燥からもしっかり唇を守ってくれますよ。
ハンドクリームに
メイク下地やリップクリームがわりに使用して手の平や指先に残ったワセリンを、そのまま手の甲や指先にすり込むとハンドクリームがわりになります。
手荒れがひどいときは、ワセリンを多めにすり込み綿の手袋をして就寝するのがオススメです。
花粉症対策に
花粉症対策には、鼻の入り口とその周辺にワセリンを塗りこんでからマスクをしておきましょう。
ワセリンが花粉を吸着して鼻の奥への侵入を防いでくれます。
また、何度も鼻をかんでいると鼻の下が乾燥してガビガビになってしまいますが、ワセリンを薄く伸ばしておくと乾燥を防いでくれます。
虫さされに
ワセリンにかゆみを止める成分は入っていませんが、皮膚をコーティングして刺激から守ることでかゆみをやわらげることができます。
さされたらすぐに塗るのがオススメですが、掻きこわしてしまったあとでも使えますよ。
靴ずれ予防に
靴ずれしやすい方は、靴の内側にワセリンを塗っておくと滑りが良くなり摩擦が軽減できます。
また、靴ずれあとにも塗っておくと、保護作用で傷の治りをサポートしてくれます。
日焼け後に
日焼けをした肌は軽い火傷と同じ状態ですから、熱いお湯やシャワーがしみたり痛みを感じたりします。
ワセリンを塗っておくと、油が水をはじいて刺激から肌を守ってくれます。
革製品のお手入れに
ワセリンは天然オイルとちがって傷みにくい油なので、革製品のお手入れにもピッタリです。
少量をよくすり込んで馴染ませると驚くほどツヤツヤになりますよ。
いかがでしたか?
“ワセリン=ベタつく”といったイメージもありますが、使用目的によってはそれがメリットとなることもありますし、化粧かぶれを防ぐのにも役立ちます。
顔に使用する際は、塗りすぎで水分の逃げ場がなくならないよう使用量に気をつけて、とにかく薄く伸ばすこと!
また、保湿成分は配合されていませんので、化粧水や美容液での水分補給も忘れずに行って肌のコンディションを整えてくださいね。