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ワセリンはニキビに効く?悪化を招く間違った使い方と正しいケア法

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メイク下地をはじめ、ハンドクリームやリップクリームに…と、色々な用途に使えるため万能クリーム的な存在のワセリン。

ワセリンには肌を保護する働きがあり、傷の治療にも役立つため皮膚科で処方される薬の基剤としても使用されています。

その安全度の高さからか、ネット上では「ワセリンでニキビが治った」「ニキビに効く」といった情報も見かけます。

でも、100%油であるワセリンが、果たして本当にニキビに効くのでしょうか…?

ワセリンはニキビに効く?

ワセリンにはニキビに有効とされる成分は入っていません。

それなのに、ワセリンでにニキビが治ったという方いるのは不思議な気もしますが、主に次のようなが理由からだと考えられます。

毛穴汚れと乾燥がなくなった

思春期を過ぎて皮脂の分泌量が減ってからできるニキビは、“大人ニキビ”と呼ばれています。

大人ニキビは思春期にできるニキビとちがい、過剰に分泌された皮脂が直接の原因ではありません。

その多くは、肌の乾燥やメイク汚れなどが原因で毛穴がふさがり、詰まった皮脂にアクネ菌が増殖して起こります。

ワセリンにはニキビを治す作用はありませんが、油ですから毛穴の汚れを取れやすくしたり、肌の乾燥を防ぐ働きがあります。

ターンオーバーが整った

大人ニキビは、肌のバリア機能の低下からターンオーバーが不規則になったり、ホルモンバランスの乱れから男性ホルモンが増え皮脂腺が刺激されるのが原因のことも。

ターンオーバーが正常に行われないことを“角化不全(角化異常)”と言い、角質が厚くなっている状態を指します。

角化不全が起こる原因は、乾燥・間違ったスキンケア・ストレス・紫外線・睡眠不足など様々ですが、ワセリンには肌を保護してバリア機能を正常化させる働きがあります。

これにより、肌のターンオーバーがスムーズに行われ、ニキビができにくくなると考えられます。

ニキビと似た症状だった

毛穴に起こるブツブツは全てニキビというわけではありません。

ニキビと間違えやすい皮膚疾患には、“毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)”や“尋常性毛瘡(じんじょうせいもうそう)”などがあります。

毛孔性苔癬は、フェイスラインや二の腕にできるブツブツで、毛穴にはニキビと似た角栓の詰まりが見られます。

尋常性毛瘡はいわゆるカミソリ負けで、うぶ毛を剃る際に皮膚に小さな傷がつき、肌にもともと存在するブドウ球菌が原因で炎症を起こした状態です。

毛孔性苔癬は、“サリチル酸ワセリン”というワセリンを基材とした薬で改善することが多いため、「ワセリンがニキビに効く」という説が広まったとも考えられます。

尋常性毛瘡はニキビとはちがい、いわゆる傷なのでワセリンの保護作用が傷の治りをサポートしたのでしょう。

ワセリンとサリチル酸ワセリンの違い

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毛孔性苔癬の改善に効果を発揮するサリチル酸ワセリンですが、大人ニキビの治療薬として皮膚科で処方される場合もあります。

そのため混同している方も多いようですが、ワセリンは精製された鉱物油。

サリチル酸ワセリンは、ワセリンにサリチル酸という薬品を混ぜたものなので、効果・効能は全く異なります。

サリチル酸について

サリチル酸はニキビ用の化粧品にも使われている成分で、角質を柔軟にする作用や殺菌作用があります。

大人ニキビは、角質が厚くなりターンオーバーが正常に行われなくなることが大きな原因のひとつですから、角質を柔らかくして殺菌するのは有効なケア法だと言えます。

しかしサリチル酸には、赤みやかゆみを引き起こすといった副作用がある他、成分自体には催奇性(奇形をつくる性質)があることも問題視されています。

肌に塗る場合、催奇性の心配はありませんが、妊娠中の方や極度な敏感肌の方は注意しましょう。

ニキビへの効果

サリチル酸には殺菌作用があるため、アクネ菌への効果が期待できます。

でも、市販されているサリチル酸配合のスキンケア製品には、肌を乾燥させる性質のものが多いため大人ニキビには向いていません。

皮膚科で処方されるサリチル酸ワセリンであれば乾燥を防ぐことはできますが、サリチル酸は薬ですから過敏症状などの副作用もあります。

また、ワセリンの油分がニキビを悪化させるおそれもあります。

使用の際は、デメリットも理解した上で使用上の注意を守って正しい使い方をしましょう。

ワセリンでニキビは悪化する?

過剰に分泌された皮脂に限らず、油分はニキビを悪化させる原因になります。

特にワセリンは皮膚の保護作用が高いため、長時間にわたって塗ったままにしておくと毛穴をふさいでしまいます。

敏感肌で他に肌に合う保湿剤がないなどの理由から、ニキビができているときににワセリンを使用する場合は次の点に注意してください。

寝る前に塗り朝には落とす

ワセリンは顔に塗っても安全な酸化しにくい油ですが、ほこりや汚れを吸着しやすい性質があります。

ニキビができているときはできるだけ日中の使用は控え、夜寝る前に薄く伸ばして使用しましょう。

また、夜寝る前に塗ったワセリンは塗りっぱなしにはせずに、翌朝よく泡立てた洗顔料できちんと落としておくことも大切です。

ワセリンを顔に塗る際の注意点については、下記の記事もご参照ください。

⇒ 「ワセリンは顔に使っても大丈夫?おすすめの4種類と使用上の注意点

炎症ニキビは避けて塗る

ニキビを引き起こす原因菌として知られている“アクネ菌(正式名称:プロピオバクテリウム・アクネス)”は、酸素を嫌い油を好むという性質を持っています。

炎症を起こしている赤ニキビは、すでにアクネ菌が増殖した状態。

そこへワセリンを塗ると、アクネ菌にとっては願ってもない好環境となるため、ニキビの炎症はどんどん悪化してしまいます。

また同様の理由から、赤ニキビができているときには油分の多い化粧品の使用は控えましょう。

いかがでしたか?

ニキビに直接的な効果はないものの、毛穴の油汚れを落としたり、大人ニキビの原因となる乾燥を防ぐのにも役立つワセリン。

でも油である以上、使用方法や肌のコンディションによっては、ニキビを悪化させる危険があるのも事実です。

「治ったという人がいたから…」「ニキビに効くと聞いたから…」

といった、噂話のような不確かな情報をうのみにするのではなく、正しい知識で自分の肌に合うかどうかを判断してくださいね。